仙台・話題の現場
 変化の激しい最近の仙台で、話題になっている場所やマスコミで報道された現場を実際に行ってレポートします。

REPORT 291
市道仙台城跡線が4年ぶりに開通
撮影2015年2月下旬
 
東日本大震災で石垣の一部が崩壊したため通行止めになっていた「市道仙台城跡線」が、
2月25日、4年ぶりに開通しました。



 
大手門隅櫓から天守台(本丸)の横を通って八木山橋へと続く道路で、中心部と八木山の住宅街を
最短距離で結ぶ道路として利用されていたので、遠回りの迂回路に不便を感じていた人も多かったようです。
隅櫓から天守台へ向かって歩いて行きましょう。



 
一見すると、ただの山道に見えますが、ここは仙台城内です。
このあたりは傾斜が緩やかですが、天守台に近付くにつれて急な登り坂になっていくので、
今回の工事で、車道にスリップ防止のための細かい凹凸がつけられました。



 
車道脇に綺麗な歩道が整備されて歩きやすくなっていますが、これは震災前に整備されたものです。
以前は、所々に木の根っこが出ていたりして、本当の山道を歩いているような雰囲気でした。



 
中門跡の石垣が見えてきました。
この石垣の一部が、ずれて飛び出したりして危険な状態でしたが、しっかり組み直されました。



 
石垣の横に、説明看板がありました。
現在は石垣しか残っていませんが、元は石垣の間に2階建ての櫓門が立っていたようです。



 
櫓門があった場所は今では車道になっています。
仙台城の観光地としての理想は、車道を廃止して失われた建物を再建して欲しいものですが、
生活道路として定着してしまっているので、なかなか難しいのでしょうね。



 
中心部の観光名所をぐるっと巡る小型バス、「るーぷる仙台」がやってきました。
このバスも、ここを走るのは4年ぶりのことです。



 
先へ進むにつれて、次第に傾斜がきつくなってきました。
車道との境のガードレールが新しくなっていて、歩道の舗装とともに歩いて登る人のことも考慮した作りになりました。



 
本丸への道で、唯一、分かれ道になっている場所です。向かって左側は博物館の裏へと続く道になっています。



 
ちょっと寄り道して下り坂を下りていってみましょう。



 
少し進むと石垣が見えてきました。清水門跡です。ここにも昔は2階建ての楼門があったようです。
この石垣も崩れましたが、綺麗に組み直されました。



 
さて、再び元の道路に戻って歩いて行きます。上の方に本丸の大きな石垣が見えてきました。



 
石垣の手前に2基の石灯籠が並んでいます。
この灯篭は倒れて一部が割れたりしていたので、部分的に作り直したのでしょうか。



 
明治時代の取り壊しや、第二次世界大戦の空襲などで全ての建物が失われてしまった仙台城の中で、
当時の威容を実感させる重要な遺構になっています。



 
この石垣は震災の数年前に発掘調査と共に崩落防止の修復工事が行われていたので、
震災の大きな揺れにも耐えて崩壊を免れました。



 
天守台の入口に到着しました。再開された、るーぷる仙台のバス停には、早くも多くの観光客が並んでいます。



 
ここから先の道路沿いに続く石垣が、今回の震災で一番大きな被害を受けた場所です。



 
平らに成形された石を積み上げる、江戸時代以降の積み方と、自然石を積み上げた戦国時代の積み方が、
ひとつの石垣に半分ずつに分けて使われている珍しい石垣ですが、この石が崩れ落ちて道路を塞いでしまいました。
姫路城の修理などを手がけた職人さんたちが以前の写真などを参考にして、ほぼ全ての石を元あった場所に
戻したそうです。まるでジグソーパズルのような根気のいる作業だったようで、敬服に値しますね。



 
そもそも自動車が通ることを想定していない城内なので、この先は石垣が大きく張り出した狭いカーブになっています。
今回、石垣の修理と同時に道幅を約1メートル広げたそうですが、すれ違うのが楽になるほどではないようです。



 
観光バスがやってきました。やはり、大きく対向車線側に出ながら曲がって行きました。
以前より多少ましになったとはいえ、観光シーズンの休日の一般車の一方通行規制は継続されるそうです。



 
天守台へやってきました。
現在、本丸御殿の跡地では柱のあった場所に礎石を配置して、大広間の規模がわかるように再現する
遺構整備工事が行われています。礎石の一部は発掘調査で発見された実物が使用されているとか。
3月26日から一般公開が始まるそうです。



 
本丸大広間の遺構整備に先立って、仙台城見聞館がリニューアルオープンしました。
リニューアルの目玉は、本丸大広間で藩主が座っていた上段の間の障壁画が再現されたことです。



 
上段の間の障壁画の一部は、本丸御殿が取り壊される前に取り外されて、屏風に作り変えられました。
現在は県指定文化財として松島博物館に収蔵されていますが、その屏風をもとにして失われた周囲を再現して
実物大に復元した障壁画が公開されました。



 
また、本丸御殿の精巧なミニチュアも展示されていました。
実際の遺構と合わせて、その規模がわかるようになりますね。



 
天守台の石垣の上から、開通したばかりの道路を見下ろしてみました。
自動車が絶えず行き交っていましたが、本丸御殿の遺構整備で更に多くの観光客に訪れて欲しいものですね。








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