仙台・話題の現場 変化の激しい最近の仙台で、話題になっている場所やマスコミで報道された現場を実際に行ってレポートします。 |
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仙台市出身のフィギュアスケーターで冬季オリンピック金メダリスト、荒川静香さんと羽生結弦選手の 二人の記念碑が設置されることが報道されました。場所は地下鉄東西線の国際センター駅前です。 国際センター駅前は広々とした空間になっていますが、芝生のあたりに偉業を称えるモニュメントを設置するそうです。 なぜ国際センター駅前なのかというと、日本におけるフィギュアスケート発祥の地が近くにあるからなのです。 国際センター駅から歩いて数分の場所にある五色沼です。 外国から日本にスケートが伝わったと言われている場所は複数ありますが、 いずれも外国人が滑った場所であり、日本人が外国人の指導を受けて初めてスケートを滑ったのが、 この五色沼ということで、日本のフィギュアスケート発祥の地とされています。 五色沼は、もともと仙台城の堀の一部で、今でも真冬には表面が凍りますが、 昔は人が乗れるほどの分厚い氷が張ったようです。 日本フィギュアスケート発祥の地の看板が出ていて、沼の上でスケートをしている写真もありました。 今回、金メダリストのモニュメントが設置されることになった理由は、地元出身のアスリートの功績を 称えるためというのは当然ですが、背景にはフィギュアスケート人気があり、特に羽生結弦選手の 人気が大きいのではないかと思います。 仙台市の観光アンバサダーを務める羽生選手や卓球の福原愛選手らを起用して仙台市が制作した 無料の仙台観光PR冊子「週末仙台」が大人気で、ネットでの配布申し込みが予定の3000部を大きく超えて 2万4535部に達したことが報道されました。仙台市内各所で撮影された羽生選手の写真目当てで ファンが申し込みに殺到したことが理由だそうで、モニュメントを設置して多くのファンの人たちに 訪れてもらって観光客数を増やしたいということなのかもしれませんね。 荒川、羽生両選手が練習をしていたスケートリンクが泉区高玉町にあります。 仙台泉ショッピングセンター内の、アイスリンク仙台です。 もともとはダイエー泉店のリンクで、長野オリンピックの時には日本代表として、荒川静香、本田武史、 田村岳斗、荒井万里絵ら4名が、このリンクから出場、名古屋と共にフィギュアスケート王国と称されました。 その後、ダイエーの経営再建策の一環として、リンクはコナミスポーツに営業譲渡されたものの、 2004年に経営不振で閉鎖されてしまいました。 2006年のトリノオリンピックで荒川選手が金メダルを獲得した時にリンクの再開を訴えたのがきっかけで、 2007年に加藤商会が営業を引き受けて、アイスリンク仙台として復活しました。 リンク内に入ると、入場料を支払う前の誰でも見られる場所に、荒川、羽生両金メダリストの 功績を記したボードと各大会の記念品等を展示するスペースが設けられていました。 受付の人に一声かければ写真撮影もOKでした。 羽生選手は震災後、練習拠点をカナダのトロントに移しましたが、オフシーズンで日本に帰国した時には アイスショーで全国をまわったり、テレビや取材などで東京にいる時以外は、今でも仙台の自宅から このリンクに通って練習をしているそうです。 現在、東北地方には通年で利用できるリンクは、ここと盛岡の2ヵ所にしかなく、東北の選手にとっては 貴重な練習拠点のひとつになっています。そんなアイスリンクの存続にとって、ちょっと不安を感じさせるような 動きがありました。 アイスリンク仙台が入居する仙台泉ショッピングセンターのメインテナント、西友仙台泉店が 今年9月で閉店することが発表されたのです。 ダイエー泉店としてスタートした店舗は、2005年にダイエーが撤退したあとに仙台泉ショッピングセンターとして メインテナントに西友が入居して再オープンしました。2011年の震災では建物に大きな被害が出たものの 修繕して営業を続けていましたが業績が回復せず、西友の閉店が決定してしまいました。 建物の修繕はしたものの耐震性には問題があるのか、屋上駐車場は今でも利用できない状態のままになっています。 メインテナントの西友以外にも多くのテナントが入居していますが、最近は撤退するテナントも増えているようで 全盛期に比べると、若干寂しい雰囲気になっています。 ショッピングセンターを運営している三井不動産によると、西友の代わりに他のテナントを誘致するのか、 ショッピングセンターそのものを再開発するのか未定だということで、今すぐアイスリンク仙台の運営に 影響があるわけではなさそうです。 アイスリンク仙台を運営する加藤商会でも、経営は続ける方針だということですが、 ショッピングセンター全体を再開発する場合には、なんらかの影響がでそうではあります。 ショッピングセンターの東側には大規模な中古車センターがありましたが、そこも移転して広大な空き地になっています。 ここは泉ヶ岳通に面していて、交通量も多く決して衰退している場所ではないので 中古車センター跡地と共に再開発する場合には大規模なものになって更なる発展が見込めそうです。 その場合、問題になるのが県内に1ヵ所しかない通年リンクの存在です。 二人の金メダリストを輩出し、現役の金メダリストが今も練習しているリンクです。 たとえ一時的な閉鎖だとしても羽生選手を始め多くのスケート&ホッケー選手に影響が出てしまいます。 県内のスケート関係者によると、現状でも東北各地からフィギュアとホッケーの選手が集まってきていて、 1ヵ所だけでは足りず、公営のスケートリンクの設置を求めているそうですが、予算の問題があり 今のところ公営リンクの設置予定はないということが報道されました。 羽生選手はリンクの運営を少しでも助けられるようにと、自著の印税を全額アイスリンク仙台に寄付しています。 今年発刊される第2段の自伝も印税を全額寄付するとか。 地元出身のフィギュアスケート金メダリストの功績を称えるモニュメント設置は、とても良いことだと思いますが、 フィギュアスケート発祥の地を自負するのなら、現役選手の育成や将来の金メダルに繋がるようなことにも 行政が積極的に動いて伝統が途切れてしまわないようにして欲しいものですね。 |
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