仙台・話題の現場を見に行こう!
 変化の激しい最近の仙台で、話題になっている場所やマスコミで報道された現場を実際に行ってレポートします。

REPORT.67
宮城県内各地のネーミングライツ
撮影2009年5月上旬
 
利府町の宮城県総合運動公園・グランディ21は、5万人収容のスタジアムをはじめ、
体育館や屋内プールなどで構成される、巨大な運動公園です。
その中の総合体育館の命名権が、ホットハウスに売却され「ホットハウススーパーアリーナ」
という名称で親しまれていましたが、ホットハウスが命名権を更新しないことを決め、
次の命名権売却先としてセキスイハイム東北が決まりました。



 
今回、新しい「セキスイハイムスーパーアリーナ」のロゴが発表されたので行ってみましたが、
体育館にかかっている看板は、まだ「ホットハウススーパーアリーナ」のままでした。
コンサートで使用されることが多く、すでに旧名でチケットが売られているからだそうで、
新しい看板に替えられるのは7月以降だそうです。



 
命名権といっても愛称の命名であって、正式名称は「宮城県総合体育館」です。
そもそも、宮城県で施設の命名権を売却する「ネーミングライツ」が注目されだしたのは、
2005年、楽天がプロ野球に新規参入し、ホームグラウンドに宮城球場が決定した時からでした。



 
老朽化が激しかった球場を全面リニューアルし、命名権を人材派遣会社「フルキャスト」に売却、
「フルスタ」として市民に愛され、フルキャストの知名度が飛躍的に上がりました。
その後、フルキャストの不祥事により命名権を返上、ネーミングライツが日本製紙に変わりました。
命名権決定直後、日本製紙にも不祥事が発覚、どうなることかと思いましたが、
企業名を入れず、商品名のみにすることで決着しました。



 
「クリネックススタジアム宮城」通称、Kスタになって2年目を迎えました。



 
Kスタの隣にある「宮城県陸上競技場」が「仙台市陸上競技場」に名前が変わっていました。
こちらはネーミングライツではなく、利府町にグランディ21を建設した宮城県が、
廃止しようとしていたものを、仙台市が買い取って存続させることになったためです。
グランディ21のほうが圧倒的に素晴らしい施設ですが、利府町より宮城野原のほうが
圧倒的に交通の便が良いので、存続を望む声が多かったんですね。



 
楽天は、泉区大沢に2軍の練習グラウンドを建設、地元の大手家電量販店デンコードーに
命名権を売却し「デンコードースタジアム泉」になりましたが、デンコードがケーズデンキに吸収合併、
命名権を手放し、わずか2年あまりでデンコードースタジアムという名称がなくなりました。



 
ネーミングライツで愛称がつくと、覚えやすくて親近感が増すという効果がありますが、
すぐに名前が変わってしまうと、混乱してしまうのがマイナス面ですね。



 
宮城県だけじゃなく、仙台市もネーミングライツに乗り出しました。
J2ベガルタ仙台のホームグラウンド、仙台スタジアムの命名権を
地元企業のユアテックに売却、ユアテックスタジアム仙台、通称ユアスタになりました。



 
ユアスタは現在、芝の張替え中で、ベガルタの試合は利府町の宮城スタジアムで行われています。



 
ネーミングライツはスポーツ施設だけにとどまらず、文化施設にも及んできました。
定禅寺通の宮城県民会館は、大和町へ工場進出予定がある「東京エレクトロン」が購入、
「東京エレクトロンホール宮城」になりました。



 
東京と宮城の二つの地名が入っているため、ちょっと紛らわしい感が無きにしもあらずです。
世界的不況で工場進出は延期になったものの、ネーミングライツは、そのまま予定通りのようです。



 
宮城県は、更に自然公園にまで命名権売却の範囲を広げてきました。
仙台港、岩沼、矢本など、4つの公園の命名権売却先を募集していましたが、
その中で利府町の加瀬沼公園の命名権が、杜の都信用金庫に決定、
「モリリン加瀬沼公園」になりました。



 
モリリンとは杜の都信用金庫のマスコットキャラクターだそうですが、あまり知名度は高くありません。
知名度を高めるためのネーミングライツですから、これでモリリンの知名度が高まればいいですね。



 
加瀬沼は、利府町と多賀城市、塩竃市にまたがる大きな沼で、冬には白鳥が飛来する事で有名です。



 
沼の西側には、広大な芝生と遊具があり、駐車場やトイレも完備しています。
県では、他にも県有林に命名権を指定し、エネオス、東北ミサワ、東北発電工業に売却しています。
自然環境が重視される時代の流れにマッチしたのでしょうか。
また、宮城県庁ロビーで月一回開かれている県民ロビーコンサートも、メガネの相沢に売却、
「メガネの相沢プレゼンツ、県民ロビーコンサート」という名前になりました。
まさに売れるものは何でも売れというほどの勢いです。



 
宮城県は財政難で、このままいけば財政破綻してしまう可能性があるそうです。
今までは、所有不動産などを売却して財源不足を補っていましたが、地価が下落したため、
新たな財源として命名権、ネーミングライツ売却が注目されたわけです。
愛称がつくことによって市民に親しまれるのはいいことですが、命名権を獲得した企業は、
名称変更による混乱を招かないよう、出来るだけ長く命名権を維持する努力をして欲しいですね。








このページの最初へ
前のREPORTへ 話題の現場TOP 次のREPORTへ



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送