仙台・話題の現場
 変化の激しい最近の仙台で、話題になっている場所やマスコミで報道された現場を実際に行ってレポートします。

REPORT 185
SS30変遷記
撮影2001年〜2012年
 
JR仙台駅の西口を出ると、目の前に独特の形をした高層ビルが聳え立っています。
東北地方で初めての100mを越えるビルで、正式名を「住友生命仙台中央ビル」と言います。
バブル絶頂期の1989年に完成、横から見ると上部が三角形になっていて、更にその上に
尖塔が乗っているデザインが特徴的で、仙台を代表するランドマークになりました。



 
尖塔部分には、SS30に入居していた通信会社の複数のパラボナアンテナが取り付けられており、
当時は、とても先進的な「ハイテクビル」という印象でした。建物自体の高さは143mですが、
尖塔部分の一番上は172mで、建設から20年以上も東北一の高さを誇ることになります。



 
その後、仙台市内にも多くの高層ビルが増えてきましたが、SS30は、その特徴的なデザインで、
仙台のランドマークとしての地位を保っていました。



 
青葉山の仙台城跡から見える景色でも、一番目立つ建物でした。
そんなSS30に最初の変化が起きたのは、2004年の10月のことでした。
尖塔部分に取り付けられていた、パラボラアンテナが撤去されたのです。



 
尖塔はアンテナを取り付けるための土台であると同時に、アンテナを地上へ下すための
クレーンの機能があったんですね。当時、アンテナ撤去作業の様子を撮影した写真を見ると、
一番上の部分が横に開き、ケーブルが貼られているのがわかります。



 
パラボラアンテナがなくなった尖塔は、最初は物足りなく思いましたが、
次第に、スマートでかっこいいなと感じるようになってきました。



 
2010年にSS30の隣に、地上180mの仙台トラストタワーが完成しましたが、
北関東以北で一番高いビルと並んでも、SS30の存在感は変わりませんでした。



 
2004年頃は高層ビルがSS30だけだった北目町付近が、高層ビルの密集地帯になりましたが、
やはりSS30の尖塔は目を惹きます。



 
トラストタワーから見てみると、尖塔の一番上が、塔の下の部分と構造が分かれていて、クレーンとして
可動するようになっているのが確認できますが、可動するということは強度が劣るということでもあり、
2011年3月11日、震度6強の巨大地震に襲われ、その可動部分から上がポッキリと折れてしまいました。



 
東日本大震災から3日後の3月14日に撮影した写真です。一番上が南側へ折れてぶら下がっています。
余震で地上に落下する危険性があったため、ビル南側の北目町通が数週間も通行止めになりました。



 
その後、地上150m位の場所に足場を組んで、折れた部分の撤去作業が行われました。



 
先端部分を撤去した後のSS30です。2004年にパラボラアンテナが撤去されてからは、
尖塔が無くなっても特に問題はないのかもしれませんが、見た目的には、いまいちな印象は拭えません。



 
そんな尖塔の上部になにやら2個の突起のようなものが付けられていました。
ズームして見てみましょう。



 
高層ビルや鉄塔などの先端に取り付けることが義務付けられている、赤色の航空障害灯でした。
航空障害灯が取り付けられたということは、現在の先端が一番上ということで、以前のような先端部分が
復元されることは無くなったのでしょうか。障害灯の取り付け方が簡易なようにも見えるので、
新たな先端部分が出来るまでの応急措置なのでしょうか。



 
東京タワーでは、震災で曲がった先端部分を撤去し、真っ直ぐなものに交換する工事が始まりましたが、
SS30の尖塔は、このままの状態になってしまうのでしょうか。



 
耐震性や安全面の問題があるのかもしれませんが、仙台のランドマーク的存在のSS30が、
震災で傷ついた姿のままでいるのを見るのは残念です。いつの日か元通りの姿に戻って欲しいものですね。








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